作業療法士はリハビリの専門家

作業療法士の仕事とは、病気や怪我等の理由で体に障害がある人に対し、医師の指示に基づいてリハビリテーションをして、日常生活の為に必要な訓練や指導を行うことです。
リハビリの中でも、身体的・精神的なリハビリを行うことを専門としており、身体的リハビリとは、関節を動かしたり、筋肉の能力を高める訓練を行うリハビリですが、特に、食事や排泄、入浴等の日常生活において必要な動作を訓練し、身体機能の悩みを改善へと導きます。
精神的リハビリとは、精神に障害を持つ人に対し、考え方を変える、気分を発散させる等のアプローチをすることで、その人の社会復帰への道筋を考えていきます。

作業療法は日常的な動作の訓練

作業療法士が行うリハビリは、日常的な動作の訓練が多くなります。
洗濯物を干したり、料理をしたり、織物や木工、書道、将棋、園芸等の趣味のような動作を取り入れたりもします。

この作業療法では、身体に適度な負担をかけることによって、その作業を通してスムーズに体や指を動かすことができるようにすることと、精神的にリラックスする効果が狙いとなります。
応用できる動作も多い為、動作だけではなく、判断力や記憶力向上の効果も期待できます。

作業療法士とは、医学や身体能力についての幅広い専門知識を持つことが求められる職業になります。
ただし、専門知識だけではなく、生活に必要な基本的動作も知っておく必要があり、料理や食事、洗濯等の日常的に行う動きを分析し、それをいかに訓練に効果的に組み込むかが大切になります。
健康な人が日常的に行っている動作に着目し、リハビリに上手に生かすことが求められます。

作業療法士として働くには

作業療法士として働く為には、作業療法士国家試験に合格し、資格を取得する必要があります。
国家試験を受けるには、作業療法士の養成課程がある4年制大学、短大、専門学校で3年以上学んで課程を修了後、受験資格を得なければなりません。
作業療法士の国家試験は基本的に筆記試験となっていますが、専門的な知識が要求され、受験者も年々増加していることから、難易度が高くなってきています。

合格率が高い国家資格ではありますが、専門性を問われる試験と、一般的な医学知識を試される試験があります。
最短コースで合格する為には、計画的に勉強を進めていくことが重要となります。

作業療法士はリハビリテーションを行う専門的な職業となりますので、高齢化社会に伴い、需要が高まっている仕事です。
就職先は、総合病院や精神病院、老人保健施設、障害者福祉施設、児童養護施設等があげられます。
キャリアアップや転職を考える人も多く受験しているようです。