「話す」「聞く」リハビリを行う業務
言語聴覚士とは、生まれつき障害を持った人や脳卒中や脳梗塞等が原因で、話すことや聴くことに困難を伴う人に対し、言語能力や聴覚の回復を目的としたリハビリを行う職業です。
話す、聞くだけではなく、食事をすること、飲み込む動作についてもリハビリを行うことがあります。
様々なリハビリテーションがありますが、言語聴覚士が携わるリハビリは、「話す」「聞く」能力の回復に特化して行われます。
感情表現の方法がまだ乏しい子供の場合、言語能力や聴覚に問題があることで、他人とのコミュニケーションに大きな影響を及ぼす可能性があります。
その問題が起こる原因には、発達障害や失語症、認知症等の言語障害や、伝音性難聴等の疾患、心理的な要因まで考えられます。
言語聴覚士は、患者それぞれの「話せない」「聞こえない」症状の原因を検査等で探りながら、改善に向けて訓練プログラムを考えて訓練を行っていきます。
身体的な要素を取り入れた運動をしたり、心理的なアプローチによる運動も行います。
心理的アプローチとは、文字や絵を用いて言葉を引き出す、または、呼吸や発音の練習、口や舌の運動をする等、訓練内容は人それぞれ、様々なリハビリの種類があります。
口を動かすという動作は、患者の食べる、飲み込む動作とも繋がりますので、その訓練を行うケースもあります。
他の医療職とも提携が必要
言語聴覚士は、「話す」「聞く」ことに特化したリハビリを行いますので、高度な専門的知識が求められる職業であり、言語聴覚士だけでそのリハビリを成立させることはほとんどできません。
他の医療職とも提携が必要で、積極的にコミュニケーションを取りながら行う業務を担うことになります。
医師や看護師、ときには理学療法士、作業療法士といった他のリハビリの専門職のスタッフとも大きく関わっていく職業となります。
言語聴覚士になる為に
言語聴覚士になるには、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。
その為には、まず受験資格を得ることが必須となります。
資格を得る条件とは、高校卒業後、言語聴覚士の養成課程がある4年制大学や短大、専門学校に3年以上通学して課程を修了することです。
受験資格を得て、言語聴覚士国家試験を受験し、合格をしてはじめて、言語聴覚士の資格を取ることができます。
言語聴覚士の国家資格の需要は、リハビリ職の増加と共に増えていますので、日本全国に言語聴覚士の養成学校ができています。
これから言語聴覚士を目指す人は、ご自身の環境や条件、好みに合わせてどの学校に進学するか、合格する為にはどのようなルートが効率的か、しっかりと勉強計画を立てて取り組むようにしましょう。